ベビー・ピーの短編集『ふまじめな絵本』

 

2015年  12月18日ー21日 

元・立誠小学校 音楽室

 

 

作:ベビー・ピー 演出:根本コースケ

音楽:だるそん

 


出演:門脇俊輔・首藤慎二・松田早穂・柳原良平・根本コースケ  

   小西啓介・柳沢友里亜・大熊ねこ(遊劇体)

 

舞台監督:平林肇
舞台監督補佐:松村珠子(劇団ケッペキ)、小西啓介
舞台美術:多賀慧(劇団「劇団」) 
造形:吉村聡浩、南秋穂、村松佳紀(劇的集団忘却曲線)
照明:山本恭平
照明操作:黄瀬かなえ、下中季晋
音響:三上航志
音響操作:酒井信古
衣装・仮面製作:松田早穂
小道具:柳沢友里亜
作品提供:石川卓磨、渡辺泰子
写真撮影・グッズ製作:首藤夕香
イラスト:山さきあさ彦
宣伝美術:ピンク地底人2 号
受付:菊地諒、築地静香
制作:ベビー・ピー
【協力】 遊劇体、ニットキャップシアター、劇団衛星、ぬるり組合、猛き流星、劇団「劇団」、劇的集団忘却曲線
【共催】 立誠・文化のまち運営委員会 / 京都芸術センター制作支援事業

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もくじ

合奏「くそ坊主」

1.「姉(ひじみ)と弟(さばと)」

2.「ダンサー」

3.「さばと&あもい」

4.「演劇発掘」

5.「自分の墓を掘る」

6.「山の話1-あもい」

7.「詩人の霊感」

8.「耳が溺れる」

9.「山の話2-さばと」

10.「SF珍島物語」

11.「畦道ピクニック」

「ふまじめな絵本」

 

 

<<ディレクターズノート>>

昨年、私は全国を旅していました。
各地で、いろんなお風呂に入りました。
広島の銭湯のサウナでは全身に刺青が入ったおじさんが全身に刺青の入ったお兄さんにツタンカーメンの本当の死因について熱く語っていました。サウナ室のテレビからは、無縁仏を合葬する公告を出した墓地のニュースが流れていました。
神戸の長田にある銭湯では建物の天井をくり貫いただけの露天風呂があり、天童よしみの珍島物語が大音量で流れ、全身に刺青がはいったおじさんが私に優しく笑いかけてくれました。そのおじさんは脱衣所では電話で誰かを目茶苦茶に叱り倒していました。
旭川のスーパー銭湯にはなまこ石鹸というものがあり使ってみたけれどただの石鹸でした。
青森の温泉では炭酸泉の湯船があり「ここの温泉はアルカリ質なので炭酸泉にすることで中性の気泡風呂になります」と書いてありました。
一番足を運んだのは鶴の越冬地になっている町の温泉で、露天風呂からは国道3号線と鉄塔が見え、そこで耳まで浸かって仰向けになり、色々なことを妄想しました。

今回の短篇集「ふまじめな絵本」は、昨年、旅をしながら、各地のお風呂で、サウナで、洗い場で、脱衣場で、また、風呂上りの夜風に吹かれながら、次はどんな作品をつくろうかしらと妄想してたまったアイデアたちを、2015年という劇団としてはなかなか多忙であった一年の隙間に、劇団メンバーたちがそれぞれ過ごした2年間と稽古場で掛け合わせながら、少しずつまとめていった作品たちです。

絵本というシンプルな枠組みの中で、やさしく、ふまじめにお届けします。どうぞ、見にいらしてくださいませ。

(根本コースケ)