出水について

いまみんなで住んだり稽古したりしているのは、鹿児島の上場高原というところで、出水市と伊佐市と熊本県水俣市までだいたい等距離(それぞれの車で30分くらい)の山のうえにあり、水俣にいく機会は遠出をするとき以外はあまりないけど、出水と伊佐の大口には、日々のちょっとした買い物でよく出ていく。

 

2月19日がオフで、一日ひとりで出水をぶらぶらした。

出水は、いままでに自分が住んだり通過した、どんな町とも似ていない。

似ていないのはどの町だってそうかもしれないが、

そういうのはどちらかというと、一見どこかと印象が似ていたけど住んでるうちに細かい襞がわかってくる、というパターンが多くって、

ここまで外見でどことも印象が近づかないのは自分的には珍しい。

 

つる乃湯温泉という350円ではいれるアルカリ質のすばらしい温泉があって、2週間に1回くらい皆で車に乗って入りに行くんだけど、そこのことをひとりが、

「僕らが全国まわってて一番好きなお風呂」

「形容するなら、傾いた社会主義、かな 笑」

と言っていて、上の発言と下の発言、全然つながらん!と思っていたけど、行くと納得。がらーんと広くてくつろげる。

 

なんか、町自体も、そんな印象。

地元の方、失礼だったらごめんなさい。

 

歴史的には、熊本との県境(国境)で、薩摩は強固に閉じていた藩なので、武家屋敷群が沢山あったり、昔の街道と思わしき道が残っていたり、

観光的には、ツルの飛来地で、冬期は6万羽くらいのツルがいるらしい。

町中がツルマークで溢れている。

 

けど、

上場から降りてきて、ニシムタ・つる乃湯への道を通ってて思うのは、

のっぺり、広い。

歩いていて気づいたけど、3階建て以上の建物が、ほぼないのだなー。

あまりこういう町並みをほかで知らない。

 

すこし行けば、われらの住んでる山があり、

すこし行けば、すぐにきれいな海もあり、

でも、そのまん中は、がらーんと広い。

 

そんなわたし、出水市民。

 

なにもない町を散歩して、なんでもない写真を撮るのが、好きだ。

京都も、歩いてて目にはいるなんでもないところが、

けっこう好きだった。

 

上場は上場で、伊佐大口は伊佐大口で、語ることはいろいろあるのだけど、

今日は出水について。