根本からのごあいさつ

皆さまへ

2014年、私、根本コースケは、劇団どくんごの全国ツアーに作家・役者として参加することになりました。

既に何度も書いてきたのですが、劇団どくんごとの出会いは、私にとってそれは衝撃的なものでした。2009年、彼らの「ただちに犬deluxe」を吉田神社で初めて見たとき、私の(それまで10年間で500本は見たであろう)観劇歴の中でも、これは圧倒的にすごい作品だと打ちのめされ、彼らがこの世に存在していたこと、存在していること、その歴史的事実と、そんなことは置いておいた作品それ自体が放つ圧倒的な素晴らしさ、双方が混然一体となった体験として、存在の芯から勇気づけられました。その衝撃で柳原良平はそのまま翌年の旅に同行の流れとなり、かわりに京都に戻ってきた丹生みほしとはその後相当に密な付き合いとなり、また、その年からベビー・ピーが劇団どくんごの京都公演の制作の一部を受け持つようにもなりました。ベビー・ピーの演劇は、彼らの作品に触れ、作法に触れ、相当に刺激され変わっていったと思います。

彼らの作品には、なぜ演劇なのか、なぜテントなのか、それが一杯に、それだけが一杯に詰まっています。そして、それを少しも難しくなく、老人から子供までがいる客席で、全国の津々浦々で、上演している。

今回の旅の話は、1年以上前にオファーをいただき、私の中でよくよく考え、ベビー・ピーの中でもそれなりの時間をかけて協議した結果の結論です。

野外というフィールド、移動していくという公演形態に、私は、いま、とてもこだわりたい。作品を繰り返していくこと、移動していくこと、それが持つ匂い。その匂いに、とても)興味があります。匂いを背負った身体が立ち上げる時間が、空間が、それまであったものをひっくり返し、重なり、夜のテントに、テントの外部も巻き込みながら、堆積していく。豊かで、強い、どくんごの演劇に、作家・役者として、私も、主体的に強く関わりたい。と、旅の決意を固めた次第です。

ベビー・ピーの作品を楽しみにしてくださっているお客様には申し訳なく心苦しいかぎりですが、作家・役者として、全てをそそぎこんだテント芝居で、京都に、全国に、現れますので、そして京都ではベビー・ピー主宰のごった煮的なプレイベントを企画中ですので、また、ほかのメンバー各々も、これまで以上に各地で積極的に演劇活動を展開していきますので、これもベビー・ピーのひとつの活動として、どうかご注目ください。

長くなりましたが、今後もベビー・ピーをよろしくお願いいたします。ぜひ、どくんごテントにも来てください。また会いましょう!

根本コースケ

劇団どくんごとは?

1983年埼玉で発足。テント・野外・喫茶店等で演劇公演を行う。1988年から2005年まで2~4年おきに計7回のテント・野外芝居の全国旅を行う。2009年、埼玉から鹿児島に拠点を移し、連年の全国旅公演を志す。近年は毎年春から晩秋にかけて、全国約40ヶ所でテントを張る。

2010年、柳原良平が役者参加。同年よりベビー・ピーで京都制作の一部を担当。

2013年『君の名は』京都公演に、ベビー・ピーでゲスト出演。

 

劇団ウェブサイト http://www.dokungo.com/

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